近年、地震や大雨、台風など、自然災害を身近に感じる機会が増えています。
「自分の住んでいる地域では大丈夫だろう」と思っていても、災害はいつ、どこで起こるか分かりません。だからこそ、これから住宅を購入したり、住み替えたりするときには、「普段の暮らしやすさ」だけでなく、「もしものときの暮らし」まで考えて住まいを選ぶことが大切です。
特に、シニアの住み替えやおひとりさまでの住宅購入では、今の生活だけを基準にするのではなく、
「10年後、20年後も無理なく暮らせるだろうか?」
「災害が起きたとき、一人でも安全に避難できるだろうか?」
「自宅で避難生活を送ることになったら、どんな準備が必要だろう?」
といった、少し先の暮らしまで想像してみることが大切です。
住まい選びでは、価格や間取り、買い物のしやすさ、病院へのアクセスなど、日常生活に関わることが優先されがちです。もちろん、これらは大切なポイントです。
そこにもう一つ、「災害が起きたとき、この場所でどう暮らすか」という視点を加えてみてはいかがでしょうか。
災害に強い家を考えることはもちろん、土地の災害リスク、避難場所までの移動、停電や断水が起きた後の生活まで考えておく。それは、災害への不安を大きくするためではなく、これからの暮らしをより具体的に考えるための住まい選びでもあります。
この記事では、シニアの住み替えやおひとりさまの住宅購入を考えるときに確認しておきたい、ハザードマップ、避難のしやすさ、被災後の生活、土地選び、住宅関連制度などについて、暮らしの視点から考えていきます。
「災害が起きたときの暮らし」を考える
住宅の防災というと、耐震性や浸水対策など、建物そのものの性能を思い浮かべる方も多いでしょう。もちろん、住宅そのものの安全性を考えることは大切です。一方で、災害が起きたときの暮らしは、家の性能だけで決まるものではありません。
たとえば、
・避難場所まで安全に移動できるか
・大雨のときに道路が通りにくくならないか
・停電した場合、照明や冷暖房をどうするか
・断水した場合、飲み水やトイレをどうするか
・スマートフォンを充電できるか
・道路が使えなくなったとき、食料や日用品をどう確保するか
といったことも、実際の暮らしには関係してきます。
つまり、住まい選びでは「災害に強い家を建てる」というだけでなく、「災害が起きたとき、その場所でどう暮らすか」まで考えることが大切なのです。
ハザードマップを確認する
土地や物件を探すときには、まずハザードマップを確認してみましょう。
ハザードマップは、その地域で想定される災害や、避難場所・避難経路などを確認するための情報です。洪水、内水、土砂災害、地震、高潮、避難場所、避難経路などについて確認できます。
ここで大切なのは、ハザードマップを「住んではいけない土地を探すための地図」と考えないことです。たとえば浸水が想定される場所でも、どの程度の浸水が想定されているのかを知ることで、建物の計画や避難方法、日頃の備えなど、できる対策を考えることができます。
また、住宅購入に際して国の制度の利用を考えている場合は、土地の区域指定についても確認しておくと安心です。たとえば住宅ローン控除は、一定の要件を満たす住宅を取得した場合などに、所得税などの控除を受けられる制度ですが、2028年以降に入居する一定の新築住宅については、災害レッドゾーンに該当すると住宅ローン減税の対象外となる場合があります。
ただし、住宅ローン控除の対象外となる可能性がある区域だからといって、必ずしも「住んではいけない場所」ということではありません。また、ハザードマップに色が付いている土地が、すべて住宅ローン控除の対象外というわけでもない点はご留意ください。
大切なのは、まずその土地にどのようなリスクがあるのかを知ること。
そして、そのリスクに対して、住宅のつくり方や避難方法、日頃の備えなど、どのような対策ができるのかを考えることです。「危険だから避ける」だけではなく、「リスクを知って、どう備えるか」まで考えてみましょう。
※制度は改正されることもあるため、実際に土地や住宅を購入するときには、その時点の国土交通省や国税庁などの最新情報をご確認ください。
「避難場所が近い」だけで安心しない
シニアの住み替えでは、避難場所の位置だけでなく、「そこまで実際に移動できるか」も確認しておきたいポイントです。
たとえば、避難場所まで徒歩5分だったとしても、
「途中に坂道はないか?」
「階段を使う必要はないか?」
「大雨のとき、その道路は通りやすいか?」
「夜間に一人で歩いても安全に移動できるか?」
と考えてみると、また違った視点が見えてきます。
できれば、地図を見るだけでなく、普段の道を実際に歩いてみるのもおすすめです。避難場所までの距離だけでなく「自分が安全にそこまで行けるか」という生活者目線で確認してみましょう。
避難に関して、もう一点考えておきたいのが避難後の生活です。
避難所で生活する場合、普段の暮らしとは大きく環境が変わることでしょう。プライバシーの確保、睡眠、食事、トイレ、暑さ・寒さへの対応など、さまざまな負担が生じることがあります。
そのため、災害の種類や自宅の状況によっては、自宅の安全が確保されていることを前提に、自宅で避難生活を送る「在宅避難」も選択肢になります。内閣府も、在宅避難者等への支援を防災上の重要な取り組みとして位置づけています。
だからこそ、住まいを選ぶときには「この家は、被災した後も生活を続けられるだろうか?」という視点も持っておきたいところです。たとえば、停電したときの照明や冷暖房、断水したときの飲料水やトイレ、スマートフォンの充電、食料や日用品の備蓄など、具体的に想像してみるとよいでしょう。
シニア・おひとりさまなら「今」だけでなく10年後、20年後を考える
住宅購入や住み替えを考えるとき、現在の生活を基準にするのは自然なこと。ただ、住宅は長く暮らす場所だからこそ、少し先の自分についても考えてみてはいかがでしょうか。
たとえば、
・車を運転しなくなったら?
・階段の上り下りが負担になったら?
・買い物や通院を徒歩・公共交通機関中心にしたら?
・災害時に一人で避難するとしたら?
・重い水や食料を自分で運ぶ必要があったら?
・停電や断水が数日続いたら?
今は何の問題もないことが、10年後には少し負担になっているかもしれません。
だからといって、将来を心配しすぎる必要はありません。
むしろ、「将来も無理なく暮らせるように、今のうちから選択肢を考えておく」というくらいの気持ちでよいでしょう。たとえば、生活の中心を1階にまとめる、できるだけ段差を減らす、日常的に使う場所をコンパクトにするなど、将来の暮らしを考えた間取りにすることもできます。
まとめ|「家」だけでなく「これからの暮らし」を選ぶ
住み替えや住宅購入では、価格、間取り、デザイン、立地など、考えることがたくさんあります。その中に、「もしものとき、この場所でどう暮らすか」という視点も加えてみませんか。
ハザードマップは、危険な土地を見つけるためだけのものではありません。
その土地で想定される災害を知り、避難方法や住宅のつくり方、日頃の備えを考えるための情報です。
また、避難場所までの距離だけでなく、そこまで安全に移動できるか、自宅で避難生活を続ける場合にはどんな備えが必要か、といったところまで考えておくと、より具体的に「もしものとき」をイメージできます。
そして、シニアの住み替えやおひとりさまの住宅購入では、今の暮らしだけでなく、10年後、20年後の自分の生活も想像してみることが大切です。
「気になる土地があるけれど、何を確認したらいいのか分からない」
「今の家から住み替えたいけれど、将来のことも考えて選びたい」
「土地探しから、災害や暮らしやすさまで相談したい」
そんなときは、土地を決める前の段階から住宅会社に相談してみるのも一つの方法です。
アラキ住宅では、家そのものだけを見るのではなく、土地や周辺環境、将来の暮らし方まで含めて、住まいについて一緒に考えていきます。
「どんな家を建てるか」を決める前に、まず「これからどんな暮らしをしたいか」を考えてみませんか。
土地選びや住み替えについて気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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